フォローを減らす、という考え方

発達障害の子に対して、周囲の大人は如何にフォローしていくか、を考えます。
とても大切なことです。
しかし、フォローすることが当たり前となり、ずっと同じフォローを続けてしまいがちです。

例えば、絵カード。
自分の気持ちを伝えることが苦手な子や、言葉よりも視覚を利用して説明された方が理解しやすい子に利用されます。
とても便利なツールです。

しかし、絵カードさえあれば意思疎通がはかれるからと、周囲も本人もずっと絵カードに頼ってしまう場合があります。
そうすれば周囲も本人も楽ですもんね。
それがずっと続くと、自分のことばで意思表示をする練習ができません。
もしかしたら、ただ苦手なだけで、絵カードがなくてもみんなと同じように自分のことばで意思表示をする能力は備わっているかもしれないのに。

発達障害であろうとなかろうと、我々大人の役割は、こどもが自分の力で生きていけるように(自分の力で助けを求められるように)育てることだと思います。
残念ながら、社会に出ると周囲の人たちはこどもの頃のように常に配慮してくれるとは限りません。
そのため、ある程度の段階まではフォローをするけれど、フォローを減らせるタイミングもみることが大切です。
もちろん、こどもが混乱しないように、減らし方はほんの少しずつが良いです。
そうやってタイミングをみながらフォローを減らせると、こどもの“自分でできた”という自信にもなります。

社会に出たときに世間から求められることを全てこなせる必要はありません(そんな人はいません)。
でも、“助けてもらって当たり前”の人を誰も助けようとは思いませんよね。
自分でやろうと頑張っていて、でも無理な時にはキチンと人に“助けてください”とお願いできる人は、自然とまわりが手を差し伸べてくれます。

最初はしっかりフォローをするけれど、少しずつフォローを減らして自分でできる力を育てる。
これを親御さんだけでやろうとすると難しいかもしれません。
どのタイミングで、どのくらいフォローを減らせばいいのか、見極めるのは難しい。
そういう時に頼れる第三者がいるといいですよね。
まちこメンタルクリニックは、そんな第三者になりたいと思っています。

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