先回りしていませんか?
親が知らず知らずのうちに先回りしていることがあります。
こどもの事を思ってのことなのですが、こどもの成長を妨げてしまう可能性があるので注意が必要です。
例えば、
こどもが「おながすいた」と言ってきた時に、「おやつあるよ」と言って、おやつを差し出していませんか?
こどもが「○○ちゃんに嫌なことされた」と言ってきた時に、「じゃあ、○○ちゃんには近づきなさんな」と対処法を言っていませんか?
こどもが、
「おなかすいた。何か食べるものある?」まで言えるかどうか。
「○○ちゃんから嫌なことされた。だからしばらく近づかないようにしておこうと思う」まで考えられるかどうか。
これがとっても重要なのです。
何か困ったことがあった時(上記の例でいうと「おなかすいた」時と「○○ちゃんに嫌なことされた」時)に、すぐに答えを与えられると、困った時にどうするか考える癖がつかなくなります。自分で考えて、どのような行動をとるかを考える力が育まれないのです。
親だからこそ、こどもがきつい状況にあればどにかしてあげたくなるのは当然です。
けれど、いつまでそれができるでしょうか。
困った時の対処法を親が提示してあげる日々が続くと、思春期になって困ったことが起こった時に、どうしていいかわからず、家に引きこもるしかなくなります。大人になって社会に出た時も、上手くいかないことがあると、それに対してどう向き合えばいいかわからないし、自分なりの答えが出せません。そうすると、引きこもるしかなくなります。
こどもがきつい状況にあればどうにかしてあげたくなるのは親心ですが、どうにかする前に少し考えて下さい。
どうにかしてあげることが本当にこどものためになるのかどうか。
こどものうちは、困る時はきちんと困らせてあげる事も大切です。きちんと困って、その上でどうするか、自分で答えを出すまで待つのです。それまでは、しっかりときつい気持ちに寄り添ってあげてください。きちんと見守っておけば、ここぞという時に助けられます。
上の例でいくと
「おなかすいた」とこどもが言ってきたら、「おなかすいたねぇ」と気持ちに寄り添った言葉を返す。そして、こどもが「何か食べるものちょうだい。」と言ってきたら、「おやつあるよ」と、おやつの場所を教えてあげて、自分で用意するところまでやらせると、なおいいです。
「○○ちゃんから嫌なことされた」とこどもが言ってきたら、「嫌なことされたんだ…。それは嫌だったね。」と気持ちに寄り添った言葉をかける。そして、こどもがその気持ちをどう処理するか、その後どういう行動をとるか、見守る。こどもは大人とは違うので、嫌なことをされた子とでも翌日には何事もなかったかのように遊べたりします。もちろん、そうはいかずに、こどもが自ら、嫌なことをしてきた子から上手に距離をとるかもしれません。
人は、困ることを避けては生きていけません。
お子さんに対して先回りした行動をとっていないか、時々振り返ってみてください。